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あ…あれ…また冒険してな…

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人集めは思いの外あっさりと終了した。

冒険者ギルドを出たあの後、とりあえず腹ごしらえでもするかと入った酒場で、私の隣にたまたま新人冒険者の青年が座った。話しかけてみれば彼はたまたま入れそうなギルドを探していたところで、勧誘してみたら喜んで応じてくれた。
青年は風変わりな衣装と武器を身につけていた。戦士のようでもあり、呪術者のようでもある。彼の職業はドクトルマグス、と言うのだそうだ。私がハイ・ラガードに来て初めて知った職のひとつである。
ところで人集めがはかどったのは、ひとえにこのドクトルマグスのおかげだ。
彼はまだメンバーが足りないと聞くや「ちょっと待ってろ」と酒場を出て行き、私が遅い昼食を食べている間に新人をもう二人連れてきた。出て行ってから一時間と経っていない。私が驚いて知り合いかと尋ねると、マグスはしれっと「いや、ナンパしてきた」などとうそぶいた。そりゃまあ二人とも女性ではあったが。さらに彼は私がその二人と話をしている間、酒場の隅にいた男に声を掛けたかと思うと、瞬く間にこちらもギルド入りさせてしまった。何だ、ドクトルマグスというのは話術に長けた職なのか?
挙げ句の果てにじゃあみんなで登録に行くかと冒険者ギルドに向かう途中、道で擦れ違った相手に向かって、
「よう兄さん、うちのギルド入んね?」
「入る」
……いや、これは相手の方がどうかしているだけだな。

ともあれこれで5人。ひとまず樹海へ挑めるだけの人数は揃った。
なけなしの懐を空にして(ギルドの資金に手を付けられるか、なんて意地を張らずにもうちょっともらってくれば良かったと心の底から思った)全員の武器を新調し、我々はその日、未だ未知なる深緑の迷宮へと旅立った。時まさに年の初め、皇帝の月の1日のことだった。




っていきなり樹海の中に置き去りにされたんだが。

公宮から出された最初のミッションは、エトリアと同じく1Fの地図を作ってこいという内容だった。しかしハイ・ラガードはエトリアよりもさらに数段スパルタなようだ。レンと気が合う人間が居そうだな。しかも移動時にマッパーには目隠しをするという念の入れ様である。まあ、氏素性の知れない連中をこの試験でまとめて国民として受け入れようというのだから、多少シビアでも仕方がない。
不安げに周囲を見回すメンバーを横目に、私はマッピングの準備を始めた。肩から提げた板についさっき入り口から少し描きかけた地図を留め、磁石で方角を確かめて、現在地をあらかた割り出した。
作業する私に気付き、皆が周囲に寄ってくる。もう少し離れてくれ。手元が暗い。
「わかんのか、場所」
一応マッパーだからな。歩数と方向転換の回数を数えていればどのぐらいの距離を移動したかぐらいは。衛士が私を気遣ってゆっくり歩いてくれたおかげで歩幅も一定に保てたから、そこそこ正確だろう。目標南西から南南西、距離は道なりに45から50。あの衛士が回り道をしたとすれば、もう少し短いかもしれないな。

「……このギルドに入って良かったわ」
突然アルケミストがぽつりと呟き、それにみんなが一斉に頷いた。よく解らんがそりゃよかった、と言っておいた。
さあ、そろそろ出発しよう。メディカをたっぷりもらったから多少の寄り道は出来るだろうが、やはり日が暮れないうちに街に帰りつきたい。


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マッパーの本領発揮。多分最初で最後。
下画面が見られなくなるイベントとかあったらものすごい恐怖だと思う。IIの終盤辺りで無いだろうか。正直ちょっと期待している。Mですか。すいません。
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